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夜勤ツールズ

解説記事

深夜割増と残業代は
重複する?

公開日 ・ 最終更新日 ・ 読了 約4

執筆: 夜勤ツールズ編集部

たくみ、残業代が消えたと思い込む

※ 登場人物は架空であり、よくあるご相談をもとにしたモデルケースです。

同僚くんの話は、実はよくある誤解です。 会社の夜勤手当と法定の割増は本来別物で、深夜帯(22時〜翌5時)の法定時間外労働には 時間外25%+深夜25%=50%以上の割増が重なります (固定手当に割増分を含める賃金設計の職場もあり、その扱いは就業規則・賃金規程によります)。 つまり、「夜勤手当」という名前の手当があるかどうかではなく、深夜の残業分に見合う金額が法定額以上支払われているかどうかを確認する、ということです(手当に割増分が含まれる設計なら、別項目で付かない場合もあります)。 たくみくんの「延長1時間」がいくらになるのか、線引きから整理します。

30秒でわかる結論

  • 結論: 重複する。深夜帯(22:00〜翌5:00)の残業は、時間外25%+深夜25%=50%以上の割増
  • 夜勤明けの朝(5:00以降)の残業は深夜帯の外なので+25%のみ
  • 会社の夜勤手当だけでは法定の割増を満たしているとは限らない。固定手当に割増相当分が含まれるか・法定額以上かは就業規則・賃金規程で確認

自分の時間帯でいくら増えるか計算する(無料)

同僚くんの説は本当?(検証)

「夜勤手当が出てるなら残業代はない」——労働基準法37条に照らすと、 答えは誤りです。似た誤解と合わせて検証します。

  • 「夜勤手当をもらっているから深夜割増は付かない」 → 多くの場合誤り。会社の夜勤手当と法定の深夜割増は本来別物です。名称ではなく金額が法定額を満たしているかが基準です
  • 「割増は大きい方だけ適用される」 → 誤り。時間外と深夜は加算されます
  • 「管理職(名ばかり管理職を含む)は深夜割増もない」 → 誤り。管理監督者でも深夜割増は支払い対象です
固定手当に深夜割増分を含める賃金設計の詳しい条件
ただし、就業規則・賃金規程で 固定手当に深夜割増相当分を含めることが明確に定められ、実際の支給額が法定の割増額以上であれば、 別項目での上乗せまでは必要ないことがあります。

つまり、たくみくんの延長1時間分の割増は消えません。問題は「何%増か」で、 それは延長がどの時間帯に起きたかで変わります。

たくみくんの延長1時間はいくら増える?(2パターン)

休憩スペースでスマホの電卓と指折りで割増率を数え、ひらめくたくみくん
スマホ電卓と指折りで検証中のたくみくん。ポイントは「延長がどの時間帯に起きたか」です。

たくみくんの深夜勤は22:00〜翌7:00(休憩1時間、実働8時間)、時給は1,300円だとします。 班長の「1時間延長」で退勤は翌8:00。まず、どこまでが深夜帯かを見てください。

深夜勤(22:00〜翌7:00)が翌8:00まで延びたケース(休憩1時間は2:00〜3:00に仮置き)
22:00 出勤8:00 退勤
勤務時間深夜割増の対象(22:00〜5:00)休憩

パターンA: 今回の延長(翌7:00〜8:00)。 たくみくんはすでに実働8時間の所定を勤め終えているので、この1時間は1日8時間の法定労働時間を超えた法定時間外労働で、 時間外割増(+25%)の対象です。 ただし深夜帯(〜翌5:00)はとっくに過ぎているので深夜割増は付きません。 時給1,300円なら 1,300 × 1.25 = 1,625で1時間分です。

パターンB: もし延長が深夜帯の中で起きたら。 たとえば準夜勤15:00〜翌0:00(休憩1時間、実働8時間)の日に、退勤が翌1:00まで延びた場合。 0:00〜1:00の1時間は1日の実働が8時間を超えた法定時間外であり、 しかも深夜帯(22時〜翌5時)の中なので、時間外25%と 深夜25%が重なって+50%。 時給1,300円なら 1,300 × 1.5 = 1,950で1時間分です。

同じ「延長1時間」でも、深夜帯の中か外かで1時間あたり325円の差(このモデル)。 「どこからが時間外か」「どこまでが深夜帯か」の線引きが、日をまたぐ勤務では特にわかりにくくなります。
注意: 「所定労働時間を超えたら自動的に+25%」ではありません。 労働基準法37条で時間外割増が必須になるのは1日8時間・週40時間の法定労働時間を 超えた部分(法定時間外)です。上の2パターンはいずれも実働8時間を超えた延長という前提で 計算しています。
所定8時間未満・変形労働時間制の場合の詳しい扱い(例外)
所定が8時間より短い職場では、所定超えでも法定枠内に収まる残業(法定内残業)の 割増の有無は就業規則・賃金規程によります。また変形労働時間制の職場では、時間外にあたるかどうかの 判定方法自体が異なります(深夜割増は時間帯で決まるため、これらの場合も22時〜翌5時なら +25%以上が必要です)。

答え合わせ: 割増率の整理表

深夜帯(22:00〜翌5:00)の法定時間外労働には、 時間外割増25%と深夜割増25%を合わせた50%以上の割増が必要です(労働基準法37条)。 つまり、深夜の残業は「残業の分」と「深夜の分」の両方が足し算される、ということです。

状況割増率
時間外労働(法定時間外の残業)+25%
深夜労働(22時〜翌5時)+25%
深夜帯の残業(重複)+50%
月60時間を超える時間外+50%(深夜と重なれば+75%)
法定休日労働+35%(深夜と重なれば+60%)
賃金の割増はこう積み上がる
通常の時間帯×1.00
深夜(22時〜5時)×1.25
深夜×残業×1.50
基礎賃金深夜割増 +25%時間外割増 +25%

深夜帯(22:00〜翌5:00)かつ法定時間外に働いた時間には、深夜と時間外の2つの割増が同時に乗ります。大きい方だけではなく加算です。

線引きの計算はツールに任せる

日またぎ勤務の深夜帯判定や時間外との重複計算は、手計算だとミスが起きやすい部分です。

たくみくんのように「調べよ」となったら、勤務パターンと月間シフトを入力するだけで、 深夜帯(22時〜翌5時)との重なりや日またぎ勤務をふまえ、設定した1日の所定労働時間を基準にした 簡易判定で時間外との重複を計算し、月の手取りまで概算します (変形労働時間制・週40時間基準の判定・複数勤務先の通算は非対応)。スマホからどうぞ。

あなたの手取りはいくら?

シフトをタップで置くだけ。登録不要で今月の手取りを予測できます。

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よくある質問

夜勤明けにそのまま残業した場合、割増はどうなりますか?

1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えた部分には時間外割増(+25%)が付きます。その残業が深夜帯(22:00〜翌5:00)に重なっていれば深夜割増も加算されて+50%です。夜勤明けの朝(5:00以降)の残業は深夜帯を過ぎているため+25%のみです。なお所定労働時間が8時間より短い場合の法定枠内の残業(法定内残業)の扱いは就業規則・賃金規程により、変形労働時間制の職場では時間外の判定方法が異なります。

割増が正しく支払われているか確認するには?

給与明細の「深夜割増」「時間外(残業)手当」の項目と、実際の勤務時間帯を照らし合わせます。日をまたぐ勤務は手計算が難しいため、シミュレーターで概算を出して明細と比べるのが手軽です。大きく差がある場合は勤務先の給与担当部署に確認しましょう。

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出典・参考資料

※ 本記事および紹介ツールの計算結果は概算であり、実際の給与は勤務先の規定によります。