解説記事

トラック運転手の深夜手当・手取りはいくら?
夜間配送のモデルケースで計算
・ 読了 約5分
30秒でわかる結論
- 月給27万円・夜間便12回(20:00〜翌6:00)のモデルで額面は約33万2千円、手取りは約26万6千円
- 深夜手当の正体は法定の深夜割増(+25%)。運送業も例外ではない
- 歩合給にも深夜割増は付く。「歩合だから無い」は誤解

深夜手当って何?(法定の深夜割増)
22:00〜翌5:00の労働には、基礎時給の25%以上の 深夜割増賃金の支払いが必要です(労働基準法37条)。これは運送業も例外ではありません。
会社が独自に定める「夜間手当」「夜勤手当」とは別の、法律上の支払い義務です。 同じ月給でも、走る時間帯が深夜帯にどれだけかかるかで金額が変わります。
改善基準告示って何?(2024年4月適用)
トラック運転者には、労働時間とは別に「拘束時間」を規制する改善基準告示があります。 トラックの場合の主なルールは次のとおりです。
- 1日の拘束時間: 13時間以内が原則(上限15時間)
- 勤務終了後の休息期間: 継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない
これは賃金のルールではなく労働時間(拘束時間)のルールですが、 夜間配送のシフトがどう組まれるかの前提になります。
改善基準告示の位置づけをくわしく読む
どんな条件で計算する?(夜間配送・月給27万円)
- 月給(基本給): 270,000円
- 無事故手当: 10,000円(会社独自の手当の一例。支給条件は会社ごとに異なる)
- 月平均所定労働時間: 170時間(基礎時給 270,000 ÷ 170 ≒ 1,588円)
- 勤務: 夜間便12回+日勤9回の月21日勤務
- 夜間便: 20:00〜翌6:00(拘束10時間、休憩1時間・2:00〜3:00、実働9時間)
- 日勤: 9:00〜18:00(休憩1時間、実働8時間)
夜間便の拘束時間は10時間で、改善基準告示の原則13時間以内に収まります。 翌6時に勤務を終えて同日20時に次の勤務に入る場合、休息期間は14時間となり 「継続11時間以上」の基本も満たす設定です。
- 20:00勤務開始
- 翌6:00勤務終了(拘束10時間)
- 同日20:00次の勤務開始(休息期間14時間)
改善基準告示の原則(1日の拘束時間13時間以内・休息期間は継続11時間以上が基本)に収まる設定です。
深夜割増がつくのは何時間分?
夜間便では、22:00〜翌5:00の7時間のうち休憩(2:00〜3:00)を除いた6時間が深夜帯の実働です。月12回で72時間になります。
また実働9時間のうち1日8時間を超える1時間(5:00〜6:00)は時間外にあたりますが、 深夜帯(〜5:00)の外なので、このモデルでは時間外と深夜は重複しません。
| 区分 | 金額の目安 |
|---|---|
| 深夜割増(1,588円×25%×72時間) | 約28,584円 |
| 時間外(1,588円×1.25倍×12時間) | 約23,820円 |
額面と手取りはいくら?
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 基本給 | 270,000円 |
| 無事故手当 | 10,000円 |
| 深夜割増(72時間分) | 約28,584円 |
| 時間外(12時間分) | 約23,820円 |
| 額面合計 | 約332,400円 |
額面から社会保険料(本人負担で額面の15%前後)と所得税・住民税が引かれるため、 手取りは額面の8割前後、このモデルでは約26万6,000円が目安です。
標準報酬月額や扶養人数などで実際の金額には個人差があります。
歩合給でも深夜割増は付く?
付きます。運送業では固定給+歩合給(運行手当・売上歩合など)の賃金体系も多く見られますが、 出来高払制(歩合給)の部分にも割増賃金は必要です。
具体的な計算方法は賃金規程により異なるため、勤務先の規程を確認してください。
歩合給の割増計算をくわしく読む
自分の条件で計算するには
夜間便の回数や時間帯、手当の額は会社ごとに違います。夜勤手取り計算ツールなら、 自分の勤務パターン(開始・終了時刻、休憩時間)と手当を登録するだけで、 深夜割増込みの月間手取りの目安を確認できます。登録不要・データはお使いの端末内にのみ保存されます。
よくある質問
- 歩合給(出来高払制)でも深夜割増は付きますか?
- 付きます。一般的な整理では、賃金算定期間の歩合給総額をその期間の総労働時間で割って時間単価を出し、深夜労働(22:00〜翌5:00)にはその25%分を上乗せして支払います(労働基準法施行規則19条)。固定給部分とは計算方法が異なりますが、「歩合給だから深夜割増はない」ということにはなりません。具体的な計算方法は勤務先の賃金規程により異なります。
- 拘束時間と労働時間は何が違いますか?
- 拘束時間は始業から終業までの時間(労働時間+休憩時間)で、改善基準告示が規制する対象です。トラックの場合、1日の拘束時間は13時間以内が原則(上限15時間)、勤務終了後の休息期間は継続11時間以上を基本とし9時間を下回らない、と定められています(2024年4月適用)。一方、深夜割増などの割増賃金は労働基準法37条に基づき、休憩を除いた実労働時間に対して計算します。
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出典・参考資料
- 厚生労働省「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」(改善基準告示)(外部サイトが新しいタブで開きます)
発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-08-10
- 労働基準法(外部サイトが新しいタブで開きます)
発行主体: e-Gov法令検索(所管: 厚生労働省)・確認日: 2026-08-10
※ 本記事および紹介ツールの計算結果は概算であり、実際の給与は勤務先の規定によります。
※ 改善基準告示・歩合給の割増賃金に関する記述は一般的な整理であり、個別の勤務実態・ 賃金規程により異なります。税・社会保険に関する記述も概算・一般論であり、 個別事情により異なります。正確な内容は勤務先または専門家にご確認ください。