解説記事

夜勤明けの過ごし方(仮眠・睡眠)と
シフト調整で手取りを減らさないコツ

2026.07.14 更新 ・ 読了 約4

夜勤明けは「疲れているのに夜になっても眠れない」「休みのはずなのに一日中だるい」と 感じやすいものです。この記事では、厚生労働省の睡眠に関する知見をもとにした夜勤明けの 過ごし方の基本を押さえたうえで、もう一つの見落とされがちな論点として「夜勤明けの休みを公休にするか有給休暇にするかで、手取りに差が出るのか」を、労働基準法39条の有給休暇の賃金支払いルールに基づいて整理・試算します。 仮眠の具体的な時刻の目安は、姉妹ツール「夜勤明け 仮眠タイマー」で個別に確認できるため、 本記事では手取りへの影響に絞って解説します。

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夜勤明けの過ごし方: 厚労省の知見に基づく基本

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、交代制勤務者への生活指導として、 週に1〜2回程度の夜勤であれば体内時計は日勤に合わせて固定しておき、夜勤明けの自宅での 仮眠は「強い眠気やだるさが取れる程度」に留め、夜は普段より早めに就床して睡眠時間を 確保することが一般的な知見として紹介されています。仮眠を長く取りすぎると夜に 眠れなくなり、次の勤務にも影響が出やすいため、「明けの日は寝だめする」のではなく 「軽く仮眠して夜にまとめて眠る」方向で調整するのが基本的な考え方です。

具体的な帰宅時刻からの起床目安は個人差があるため、時刻の目安は夜勤明け 仮眠タイマーで帰宅時刻を入力するだけの簡易シミュレーションにお任せし、本記事では休みの過ごし方と 手取りへの影響を中心に解説します。

「夜勤明けを休む」ときの3つの選択肢

体調がすぐれず、夜勤明けの翌日(本来の所定労働日)を丸ごと休みたい場合、扱い方には 主に3つの選択肢があります。

  1. 振替公休: 別の日に代わりに出勤し、 その日を休みに入れ替える。月の総労働日数は変わらないため、給与も変わらない
  2. 欠勤: 振替をせず単純に休む。 多くの会社では、休んだ分だけ給与から日割りで控除される(欠勤控除)
  3. 有給休暇: 保有している年次有給休暇 (労働基準法39条)を1日分あてる

振替がきく場合は1で解決しますが、シフトの都合で振替ができないときに 「2の欠勤にするか、3の有給にするか」で、実際に受け取る手取りに差が出るのかが 気になるところです。

労基法39条9項に基づく試算: 欠勤と有給でいくら差が出るか

労働基準法39条9項では、有給休暇を取得した日の賃金は、就業規則の定めに従い (a)平均賃金、(b)所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、(c)労使協定がある場合は 健康保険法の標準報酬日額、のいずれかで支払うと定められています。月給制の会社の多くは (b)を採用しており、この場合の1日分は「月給 ÷ その月の所定労働日数」で計算されます。

月給(基本給)230,000円、月の所定労働日数20日というモデルケースで比べると、 次のとおりです。

選択その日の扱い基本給への影響
欠勤(振替なし)労働日数が実質1日減る−11,500円(230,000円÷20日の欠勤控除)
有給休暇労働基準法39条9項に基づき賃金を支払う義務がある変動なし(230,000円のまま)

差額は1回あたり11,500円。 月に2回同様の事情が重なれば、差は23,000円まで広がる計算です。振替ができないなら、 有給休暇を1日あてることで、欠勤控除に相当する分がそのまま守られるといえます。 ただし有給には保有日数の上限があり、事前申請や勤務先の承認手続きが必要な点、 平均賃金方式の会社では計算の基礎期間によって金額が上記と多少変わる点にも注意してください。

有給には深夜割増・夜勤手当は含まれない点に注意

有給休暇は「休んで実際には働いていない日」に対する賃金なので、深夜割増や夜勤手当のように 実際の労働に対して支払われる手当は原則発生しません。上の試算はあくまで 「休んだ日の基本給部分を守れるかどうか」の比較であり、 「その日に夜勤へ入った場合」と単純に同額になるわけではない点は押さえておきましょう。

自分のケースで手取りを比較するには

上のモデルケースは月給23万円・所定労働日数20日という一例です。実際の1日あたりの控除額や 有給の賃金計算方式(通常の賃金/平均賃金/標準報酬日額のいずれか)は勤務先の就業規則によって 異なります。

夜勤手取り計算ツール(無料)では、基本給の欄に「欠勤控除後の金額」と 「有給取得時のそのままの金額」をそれぞれ入力し直すことで、公休(欠勤)扱いにした月と 有給扱いにした月の手取りの差を、自分の月給・シフトに沿って比較できます。夜勤明けの 仮眠タイミングを先に確認したい場合は夜勤明け 仮眠タイマーもあわせてご利用ください。どちらも登録不要で、入力したデータはお使いの端末内にのみ 保存されます。

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よくある質問

夜勤明けの休みを欠勤にするか有給にするかで、本当に手取りが変わりますか?
振替公休が使えない場合に限りますが、変わる可能性があります。多くの月給制の会社では欠勤した日数分が給与から控除される一方、年次有給休暇(労働基準法39条9項)をあてた日は就業規則で定めた方法(通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額のいずれか)で賃金が支払われるため、欠勤控除に相当する分が守られます。ただし控除額の計算方法は会社の就業規則により異なるため、必ず自社の規定を確認してください。
有給休暇を使えば、深夜割増や夜勤手当も含めて支払われますか?
含まれません。有給休暇は「休んで実際には働いていない日」に対する賃金であり、深夜割増や夜勤手当は実際に労働した時間に対して支払われる手当です。有給を使っても、その日に夜勤へ入った場合と同額になるわけではない点に注意してください。
記事内の試算(月給23万円モデル)はどこまで正確ですか?
本記事の月給・所定労働日数・控除額はあくまで説明用のモデルケースであり、実際の欠勤控除額や有給休暇の賃金計算方式は勤務先の就業規則によって異なります。ご自身の月給・所定労働日数に置き換えて確認することをおすすめします。

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※ 本記事および紹介ツールの計算結果は概算であり、実際の給与は勤務先の規定によります。

※ 夜勤明けの過ごし方・仮眠に関する記述は厚生労働省の資料に基づく一般的な知見の紹介であり、 医学的な診断・治療方針を示すものではありません。体調に不安がある場合は医療機関に ご相談ください。有給休暇の賃金計算方式や欠勤控除の有無・計算方法は就業規則により 異なるため、概算・一般論としてご利用いただき、正確な取り扱いは勤務先にご確認ください。