解説記事

ダブルワークで夜勤すると残業代はどうなる?
労働時間の通算と深夜割増を解説
・ 読了 約6分
30秒でわかる結論
- 労働時間は勤務先が違っても合算(通算)される。本業8時間の日の副業夜勤は最初から残業扱いになりうる
- 時間外25%+深夜25%で合計50%増になることも(金曜夜のコンビニ副業モデルで試算)
- 深夜割増は通算と無関係。22時〜翌5時に働けば付く

労働時間はどう合算される?
労働基準法38条により、労働時間は勤務先(会社)が違っても通算されます。 厚生労働省のガイドライン・通達による一般的な整理は次のとおりです。
- 所定労働時間は「労働契約を先に締結した順」に通算する
- 所定外労働時間は「実際に行われた順」に通算する
- 通算して法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える部分を発生させた使用者が 時間外割増を支払う
- 副業先は労働者からの自己申告により本業の労働時間を把握する運用が想定されている
法令の根拠をくわしく読む
通算される?されない?を整理
時間外割増は「合計何時間働いたか」で決まり、深夜割増は「何時に働いたか」で決まります。 この違いが通算の有無を分けます。
| 割増の種類 | 本業と副業で通算される? | 理由 |
|---|---|---|
| 時間外割増(+25%) | 通算される | 1日8時間・週40時間を超えたかは、合計の労働時間で判定するため |
| 深夜割増(+25%) | 通算と無関係に発生 | 22時〜翌5時に働いたかという時刻ベースのルール。その時間帯に働かせた勤務先がそれぞれ支払う |
つまり副業が深夜バイトなら、時間外の通算問題とは別に、深夜帯の労働そのものに対して深夜割増の支払いが法律上必要になります。
金曜夜のコンビニ副業でいくら変わる?(計算例)
次のモデルケースで、通算あり・なしの差額を計算します。
- 本業: 月〜金 9:00〜18:00(休憩1時間・実働8時間)の会社員(先に契約)
- 副業: 金曜 22:00〜翌2:00(実働4時間・休憩なし)のコンビニ夜勤、時給1,400円、月4回
金曜の通算労働時間は 8時間+4時間=12時間。本業で法定労働時間の8時間に達しているため、 副業の4時間はすべて法定時間外です。
さらに22:00〜翌2:00はすべて深夜帯。 時間外25%+深夜25%=50%増が全時間に適用されます。
このモデルの副業4時間(22:00〜翌2:00)は、通算により全時間が一番下の「深夜×残業」に該当します。
| 計算パターン | 金額の目安 |
|---|---|
| 通算を反映(1,400円×1.5×4時間) | 8,400円/回 |
| 深夜割増のみ(1,400円×1.25×4時間) | 7,000円/回 |
| 差額(月4回) | 5,600円/月 |
時間外の通算が反映されるかどうかで、月5,600円・年間では6万7,200円の差になる計算です。
通算を反映
8,400円/回
時間外+深夜で50%増
深夜割増のみ
7,000円/回
深夜25%増のみ
月4回では5,600円、年間では6万7,200円の差になる計算です。
副業する側の注意点は?
- 通算で法定労働時間を超えて働かせるには、副業先でも36協定の締結・届出が必要です
- 副業の収入は原則確定申告の対象になりえます(税金の扱いは個別事情によります)
- 睡眠時間を削る掛け持ちは健康リスクと隣り合わせです。ガイドラインも労使双方に 就業時間・健康状態の管理を求めています
自分の副業夜勤分を試算するには
夜勤手取り計算ツールは1つの勤務先単位の概算ツールです。副業先のシフト (勤務時間帯・時給)を登録すれば、深夜割増込みの収入目安を確認できます。
時間外割増が通算でどう付くかは契約順序などの個別事情によるため、ツールの計算対象外です。 1回分だけなら夜勤手当 早見計算も使えます。登録不要・データはお使いの端末内にのみ保存されます。
よくある質問
- 深夜割増も本業と副業で通算されますか?
- いいえ。通算されるのは時間外割増の判定に使う労働時間(1日8時間・週40時間)です。深夜割増(+25%)は「22時〜翌5時に働いたか」という時刻ベースのルールなので、通算とは関係なく、その時間帯に労働させた勤務先がそれぞれ自社での深夜労働分を支払います。副業が深夜バイトなら、時間外の扱いがどうであれ深夜割増は付きます。
- 副業先に本業の労働時間を伝える必要はありますか?
- 厚生労働省のガイドライン・通達の整理では、副業先(使用者)は労働者からの自己申告により他社での労働時間を把握することが想定されています。申告がないと副業先は労働時間を通算した時間外割増の判断ができないため、面接・契約時に本業の所定労働時間や勤務日を正しく伝えておくことが、正しい賃金計算と自身の健康管理の両方の出発点になります。
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出典・参考資料
- 厚生労働省「副業・兼業」(副業・兼業の促進に関するガイドライン)(外部サイトが新しいタブで開きます)
発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-08-10
- 「副業・兼業の場合における労働時間管理に係る労働基準法第38条第1項の解釈等について」(令和2年9月1日基発0901第3号)(外部サイトが新しいタブで開きます)
発行主体: 厚生労働省・確認日: 2026-08-10
- 労働基準法(外部サイトが新しいタブで開きます)
発行主体: e-Gov法令検索(所管: 厚生労働省)・確認日: 2026-08-10
※ 本記事および紹介ツールの計算結果は概算であり、実際の給与は勤務先の規定によります。
※ 労働時間の通算・割増賃金の負担者に関する記述はガイドライン・通達に基づく一般的な整理であり、 契約の順序や勤務実態などの個別事情により異なります。税に関する記述も概算・一般論です。 正確な判断は労働基準監督署または弁護士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。