解説記事
月給30万円の夜勤手取り
シミュレーション(残業・休日出勤あり)
2026.07.14 更新 ・ 読了 約5分
結論から言うと、月給(基本給)30万円に時間外20時間・法定休日出勤1回が加わるモデルケースでは、 額面は約37万円、手取りは約29万7千円が目安です。 月給25万円クラスのモデル(別記事「三交代の手取りはいくら?月給25万円のモデルケース」)より月給が高いだけでなく、残業と休日出勤が絡むぶん割増賃金の計算が複雑になります。 この記事では、深夜割増と時間外割増が重複するケース、法定休日出勤の割増を、 根拠となる労働基準法37条の条文とあわせてステップごとに計算します。
モデルケースの条件
- 月給(基本給): 300,000円
- 月平均所定労働時間: 160時間 → 基礎時給 300,000円 ÷ 160時間 = 1,875円
- 時間外労働(残業): 月20時間(月60時間以内)
- うち深夜帯(22:00〜翌5:00)にかかる残業: 8時間(夜勤の終盤が延びたケースを想定)
- 深夜帯にかからない残業: 12時間
- 法定休日出勤: 1回・実働8時間(深夜帯にはかからない日中の休日出勤を想定)
時間外・深夜・休日の割増率は、いずれも労働基準法37条が定める法定の下限です (時間外+25%、深夜+25%、 法定休日+35%、時間外が月60時間を超えた部分は+50%)。
ステップ1: 所定内給与
まず基本給の300,000円がベースになります。月平均所定労働時間160時間で割った 基礎時給1,875円が、これ以降の割増計算すべての土台になります。
ステップ2: 残業代(時間外割増)— 深夜帯との重複に注意
時間外20時間のうち、深夜帯にかかるかどうかで割増率が変わります。
| 区分 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 深夜帯にかからない残業12時間 | 1,875円 ×(1+25%)× 12時間 | 28,125円 |
| 深夜帯にかかる残業8時間 | 1,875円 ×(1+25%+25%)× 8時間 | 22,500円 |
| 残業代の合計 | 50,625円 |
「深夜割増と時間外割増は重複するのか」という点は、多くの人が誤解しやすい部分です。 結論は重複します。深夜勤務が延びて残業になった場合、時間外分と深夜分の両方の割増を 上乗せして支払う必要があります(重複の考え方の詳細は「深夜割増と残業代は重複する?」で解説しています)。このモデルでは、時間外20時間のうち8時間が深夜帯と重なるため、 その部分だけ割増率が25%(時間外のみ)ではなく50%(時間外+深夜)になります。
ステップ3: 法定休日出勤の割増
法定休日(労働基準法35条が定める週1日の休日)に出勤した場合は、時間外割増 (+25%)ではなく法定休日割増+35%が 適用されます。今回のモデルでは日中の休日出勤1回・実働8時間なので、
1,875円 ×(1+35%)× 8時間 = 20,250円
なお、法定休日労働の時間は、月60時間を超えたかどうかを数える時間外労働の カウントには含めません(労働基準法37条にもとづく行政通達の取り扱い)。 休日出勤をしても、それによって「時間外が60時間を超えた」扱いにはならない点は 覚えておくとよいポイントです。
額面合計と手取りの目安
ここまでの内訳をまとめると次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基本給(所定内) | 300,000円 |
| 残業代(時間外20時間、深夜重複8時間分を含む) | 50,625円 |
| 法定休日出勤割増(1回・8時間) | 20,250円 |
| 額面合計 | 約370,875円 |
額面から社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険の本人負担で額面の15%前後)と所得税・住民税(源泉徴収ベースで額面の5%前後)を差し引くと、手取りは額面の8割前後が目安です。
370,875円 × 約80% = 約296,700円(約29万7千円)
月給25万円クラスのモデル(残業・休日出勤なし)の手取り目安が約24〜25万円だったのに対し、 本モデルは月給の高さに加えて残業代・休日出勤割増が上乗せされるため、手取りで4〜5万円ほど 差が出る計算です。
時間外が月60時間を超えたら
今回のモデルは時間外20時間で月60時間以内に収まっていますが、月60時間を超えると 超えた部分の時間外割増率は25%から50%に引き上がります。さらにその時間が深夜帯にも かかっていれば、深夜分の25%と合わせて75%の割増になります。慢性的に残業が多い月は、 このモデルより手取りが上振れする一方、時間外労働そのものが多いことも意味するため、 金額だけでなく労働時間の管理としても注意が必要な水準です。
自分の条件で計算するには
このモデルはあくまで「月給30万円・時間外20時間・法定休日出勤1回」という一例です。 実際の基礎時給、残業のうち深夜帯にかかる時間、休日出勤の回数は人によって異なります。
夜勤手取り計算ツール(無料)なら、残業時間・休日出勤を含めた月間シフトを カレンダーに登録するだけで、深夜割増と時間外割増が重複する時間帯や法定休日割増を自動判定し、 あなたの条件での手取りまで概算できます。登録不要・データはお使いの端末内にのみ保存されるため、 給与額を入力しても外部に送信されません。
よくある質問
- 深夜割増と時間外割増は重複しますか?
- 重複します。深夜帯(22:00〜翌5:00)にかかる残業には、時間外割増+25%と深夜割増+25%を合わせた+50%が必要です(労働基準法37条)。本記事のモデルでは、残業20時間のうち深夜帯にかかる8時間だけこの重複割増が適用され、残り12時間は時間外割増+25%のみです。
- 時間外労働が月60時間を超えたらどうなりますか?
- 月60時間を超えた部分の時間外割増率は+25%から+50%に引き上がります。さらにその時間が深夜帯にもかかっていれば、深夜分の+25%と合わせて+75%の割増になります。本記事のモデルは時間外20時間で60時間以内に収まっているため、この引き上げは発生していません。
- 法定休日出勤は時間外割増と同じ扱いですか?
- 異なります。労働基準法35条が定める法定休日(週1日)に出勤した場合は、時間外割増+25%ではなく、法定休日割増+35%が適用されます。また、法定休日労働の時間は、月60時間を超えたかどうかを数える時間外労働のカウントには含めません。会社が定める「法定外休日」への出勤は、これとは扱いが異なる場合があるため、就業規則で法定休日がどの曜日・どの日に設定されているか確認しておくと安心です。
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※ 本記事および紹介ツールの計算結果は概算であり、実際の給与は勤務先の規定によります。
※ 社会保険料・税額の記述は概算・一般論であり、扶養人数や加入する健保組合等の個別事情により 実際の手取り額は異なります。