解説記事

夜勤専従の手当相場と手取り
(病院・介護施設で働く場合)
公開日 ・ 最終更新日 ・ 読了 約5分
執筆: 夜勤ツールズ編集部
あかり、「基本給が低い=損」を計算し直す
夜勤専従ってどうなのかな基本給20万かあ
今より基本給低いのよね…損しちゃうのかも
この試算だと手当が月11万超⁉積み上がる構造なのね
額面は約31万手取り約25万回数の目安も確認しなきゃあかりさんの「基本給が低いから損かも」は、夜勤専従の給与構造を知ると見え方が変わります。 基本給は日勤者より低めでも深夜割増と夜勤専従手当が積み上がる構造を、 二交代・月8回のモデルで額面・手取り・日勤者との年収差まで順番に計算していきます。 ただし夜勤専従手当は法定の手当ではなく、有無・金額は施設の規定によって大きく異なります。
30秒でわかる結論
- 夜勤専従(基本給20万円・月8回)のモデルで額面は約31万3,500円、手取りは約25万1千円
- 基本給は低めでも手当が積み上がり、額面年収では日勤者(基本給25万円)を約76万円上回る計算
- 夜勤時間数の上限目安は月144時間程度(日本看護協会ガイドライン)。月8回・128時間は範囲内
夜勤専従は月何回まで働ける?
「夜勤専従」は、日勤を持たず夜勤だけを担当する働き方です。 病院の看護師や介護施設の介護職に広く見られます。
病棟の看護配置で使われる「月平均夜勤時間72時間」という基準は、夜勤専従者には適用されません。 代わりに日本看護協会のガイドラインが、夜勤時間数はおおむね月144時間程度を上限の目安とする考え方を示しています。
1回16時間の二交代なら月9回程度(144時間)が目安に近く、 本記事のモデルである月8回・128時間はこの範囲内に収まる設定です。
基準・ガイドラインの詳細をくわしく読む
どんな条件で計算する?
二交代・夜勤専従(病院勤務)を例に、基本給と手当を分けて試算します。
- 夜勤専従の基本給: 200,000円(日勤を担当しない分、日勤者より低めに設定される想定)
- 月平均所定労働時間(基礎時給算定の基準): 160時間 → 基礎時給 1,250円
- 勤務パターン: 16時間拘束(休憩2時間、実働14時間)の二交代を月8回(合計128時間)
- 深夜帯(22時〜翌5時の7時間)は毎回すべて勤務に含まれる想定
- 夜勤専従手当(施設が専従者に上乗せする固定額): 1回12,000円と仮定 (通常の夜勤手当より高めに設定される施設が多いとされる一般的な傾向を踏まえた仮の数値)
※ 開始・終了時刻と休憩の位置は一例です(このモデルでは深夜帯の7時間がすべて勤務に入り、休憩2時間は深夜帯の外の想定)。
比較対象として、日勤のみ・基本給250,000円(深夜割増・夜勤手当なし)の日勤者を置きます。
額面と手取りはいくら?

| 項目 | 夜勤専従(月8回) | 日勤者 |
|---|---|---|
| 基本給 | 200,000円 | 250,000円 |
| 深夜割増(1,250円×25%×7時間×8回) | 17,500円 | — |
| 夜勤専従手当(12,000円×8回) | 96,000円 | — |
| 額面合計(月) | 約313,500円 | 250,000円 |
| 手取りの目安(額面の8割前後) | 約25万1千円 | 約20万円 |
深夜割増は22時〜翌5時の労働に+25%が法律で決まっている割増賃金です。 一方、夜勤専従手当は施設が独自に定める手当です。
額面から社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険の本人負担で額面の15%前後)と 所得税・住民税が引かれるため、手取りは額面の8割前後が目安になります。
法令の根拠をくわしく読む
日勤者との年収差はいくら?
賞与を考慮せず月額のみを12か月分単純合計すると、次のとおりです。
| 働き方 | 月額 | 年収(12か月分) |
|---|---|---|
| 夜勤専従 | 313,500円 | 約376万2千円 |
| 日勤者 | 250,000円 | 300万円 |
| 差額 | 約76万2千円(夜勤専従が多い) |
基本給だけを見ると、夜勤専従は月5万円(年間60万円)低い設定です。 しかし深夜割増と夜勤専従手当を合わせた月113,500円(年間約136万2千円)がそれを上回ります。
基本給の差
−50,000円
夜勤専従20万円 vs 日勤者25万円
手当類の上乗せ
+113,500円
深夜割増17,500円+夜勤専従手当96,000円
介護施設だと何が違う?
介護施設(特養・老健等)の夜勤専従も、基本給+夜勤手当(施設独自の固定額)という 構造は病院とおおむね共通しています。
ただし手当の金額・処遇改善加算の配分方針は、施設ごとの差が病院以上に大きいとされます。 求人票の「夜勤手当◯円/回」の額と、処遇改善加算が基本給・手当のどちらに 反映されているかを雇用契約書や給与規程で確認しておくと安心です。
自分の条件で試算するには
上のモデルケースは基本給20万円・月8回という一例で、実際の基本給・夜勤専従手当の金額・夜勤回数は 勤務先によって異なります。夜勤手取り計算ツールなら、夜勤専従パターンをシフトとして登録するだけで 深夜割増・夜勤手当込みの月間手取りと年収イメージまで試算できます (1回あたりの金額だけなら夜勤手当 早見計算も便利です)。
よくある質問
夜勤専従の夜勤回数には上限がありますか?
通常の看護配置に使われる「月平均夜勤時間72時間」という入院基本料の施設基準は夜勤専従者には適用されません。ただし公益社団法人日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」では、夜勤専従者の負担が際限なく増えないよう、夜勤時間数はおおむね月144時間程度を上限の目安とする考え方が示されています。実際の夜勤回数の上限や勤務間隔の運用は病院・施設ごとに就業規則で定められており、ガイドラインはあくまで推奨の目安である点に留意してください。
夜勤専従は本当に日勤者より収入が高いのですか?
一概には言えません。本記事のモデルケースでは、基本給を低めに設定する代わりに深夜割増(+25%)と施設独自の夜勤専従手当が積み上がり、額面年収で日勤者を上回る試算になりましたが、基本給・夜勤専従手当の金額は施設ごとに異なります。また賞与の算定基礎に基本給を用いる施設では、賞与を含めた年収差は月額だけのモデルより小さくなる可能性があります。実際の水準は求人票や雇用契約書で確認してください。
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出典・参考資料
- 日本看護協会「夜勤・交代制勤務の負担軽減に向けて」(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 公益社団法人日本看護協会・確認日: 2026-07-26
- 労働基準法(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: e-Gov法令検索(所管: 厚生労働省)・確認日: 2026-07-26
※ 本記事および紹介ツールの計算結果は概算であり、実際の給与は勤務先の規定によります。
※ 夜勤専従の夜勤回数・時間数の目安は日本看護協会のガイドラインを参考にした一般的な整理であり、 基本給・夜勤専従手当の金額は本記事の仮定値です。実際の水準や年間夜勤回数の上限は 勤務先の就業規則・雇用契約により異なるため、概算・一般論としてご利用ください。