解説記事

夜勤明けは休日になる?
暦日の原則と交替制の例外(継続24時間)
公開日 ・ 最終更新日 ・ 読了 約14分
執筆: 夜勤ツールズ編集部
夜勤明けの日は、勤務表で「休み」と書かれていても、労働基準法上の休日には原則として数えられません。休日は0時から24時までの暦日を単位とし、明けの日はその途中まで働いているからです。 この記事では、暦日の原則、交替制で継続24時間の休息を休日とできる例外の条件、4週間の休日の数え方、自分の勤務表と就業規則で確かめる手順を整理します。
この記事のポイント
- 夜勤明けは休日?原則として休日ではありません。16時〜翌9時の夜勤なら、翌日は9時まで勤務している日です。 ※本文で読む
- 例外はある?番方編成の交替制が就業規則で定められ、交替が規則的なら、勤務終了から継続24時間の休息を休日とできます。8時間3交替制を例に示された通達で、ほかの交替制は個別に判断されます。 ※本文で読む
- 4週間で休日は足りている?28日で夜勤8回・日勤8回なら、明けを除いた休日は4日で4週4日にちょうど届きます。前の期間の最終日に夜勤が入っていると、その明けが今回に入り3日に減ります。 ※本文で読む
- どこで確かめる?就業規則の休日の条(法定休日の決め方・4週4日の起算日・交替制の定め)と、勤務表の終業時刻です。 ※本文で読む
→ 法定休日の0時〜24時の時間から休日割増を計算する(無料)
原則: 休日は0時〜24時の暦日で数える
労働基準法35条は、毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上の休日を与えるよう定めています。この「1回の休日」は、行政解釈で原則として暦日、つまり午前0時から午後12時までの24時間とされています(昭和23年4月5日基発535号)。 労働局も、所定休日でも前日の労働が延長されて午前0時を超えた場合などは休日を与えたことにならない、と説明しています。
- 月曜 16:00〜夜勤入り(勤務日)
- 火曜 0:00〜9:00勤務が続く → 火曜は「明け」。休日ではない
- 水曜 0:00〜24:00勤務なし → 休日に数えられる
休日は原則として暦日(0時〜24時)単位。明けの火曜は9時以降に勤務がなくても休日に数えません。
火曜の9時から水曜の24時までは39時間の休息ですが、休日として数えられるのは水曜の1日です。 日をまたぐ勤務は、暦日が変わっても始業時刻の属する日の1勤務として扱うとされています(昭和63年1月1日基発1号。大阪府の労働相談資料「夜勤等における暦日付与の考え方」に引用)。月曜に始まった夜勤は「月曜の勤務」で、火曜は勤務が終わった日という位置づけになります。
勤務パターン別に見る「その日は休日か」(5つの並び)
自分の勤務表に近い並びを探してください。右の列は次の節の2つの要件を満たす職場だけの扱いです。
| 勤務の並び | 暦日の原則 | 交替制の例外(2要件を満たす場合) |
|---|---|---|
| 二交代 16時〜翌9時 → 翌日(明け) | 明けの日は休日ではない。その翌日の0〜24時に勤務がなければ休日 | 交替が規則的でなければ例外は使えない |
| 二交代 16時〜翌9時 → 明けの日の16時からまた夜勤 | 明けの日は0〜9時と16時以降に働くので休日ではない。連続夜勤の間の日は1日も休日にならない | 交替が規則的でなければ例外は使えない |
| 三交替 深夜勤0時〜8時 → 翌日8時から日勤 | どちらの暦日も途中で働いているので休日0日 | 8時〜翌8時の継続24時間を休日1日と数えられる(8時間3交替制を例に示された扱い) |
| 日勤の残業が0時を超えた → 翌日は所定休日 | 翌日は休日を与えたことにならない(労働局の説明) | 残業による延長は番方の規則的な交替ではない |
| 準夜勤16時〜24時 → 翌日休み | 24時ちょうどに終われば翌日は0時から勤務なしで休日 | 例外を使う必要がない |
2行目のように明けの日に次の夜勤が入る並びは、暦日の休日が1日も生まれません。 日曜(法定休日)の夜に勤務が始まる場合などに、どの時間が休日労働になるかは割増の計算の問題で、「深夜残業は何倍?」の倍率表で扱っています。
例外: 交替制の継続24時間(2つの要件)
8時間三交替制のように番方が一定期間ごとに交替する職場では、暦日で休日を与えようとすると勤務の組み方が難しくなります。 そこで行政解釈(昭和63年3月14日基発150号)は、次の2つを満たす場合に限り、勤務終了から継続24時間の休息を与えれば休日として差し支えないとしています。
番方編成による交替制であることが就業規則等で定められ、制度として運用されている
就業規則に「一番方・二番方・三番方」などの交替制の定めがあり、実際にその形で回っていること。各番方の交替が規則的に定められていて、勤務割表等でその都度決めるものではない
「1週ごとに一番方→二番方→三番方の順に交替」のように決まっていること。毎月の勤務表で個別に組む職場は、これに当たらない可能性があります。
たとえば三交替で深夜勤(0時〜8時)を終えたあと、翌日8時の日勤まで24時間空く場合、暦日の原則では火曜も水曜も途中で働いているので休日は0日です。 2つの要件を満たす職場なら、この継続24時間を1日の休日として数えられます。 なお、この通達は8時間3交替制の連続勤務を例に示されたもので、二交代などそれ以外の交替制で同じ扱いになるかは、勤務の組み方に応じて個別に判断されます。
4週間の休日の数え方(期間の境目に注意)
4週4日の変形休日制をとる職場で、明けを除いた休日が足りているかは、4週間(28日)のうち勤務のある暦日を重複なく数えて、28日から引けば確かめられます。 モデルは二交代の夜勤(16時〜翌9時)と日勤(9時〜18時)の組み合わせで、明けの日に日勤や次の夜勤を入れない(夜勤入り・明け・日勤の日が重ならない)前提です。
4週間の休日の式(暦日の原則)
式1 期間内の明けの日 = 夜勤の回数 − (28日目に入った夜勤:明けは次の期間)+ (前の期間の最終日に入った夜勤:明けは今回の1日目)
式2 勤務のある暦日 = 夜勤入りの日 + 式1の明けの日 + 日勤の日(同じ日を2回数えない)
式3 暦日の休日 = 28 − 式2 → 夜勤8回・日勤8回で境目に夜勤がなければ 28 − (8 + 8 + 8) = 4日
| 28日間の勤務 | 勤務表上の休み(明けも休みに数えた数) | 暦日の休日(式3) | 4週4日との比較 |
|---|---|---|---|
| 夜勤8回のみ(夜勤専従) | 28−8=20日 | 28−(8+8)=12日 | 足りている |
| 夜勤8回+日勤8回 | 28−8−8=12日 | 28−(8+8+8)=4日 | ちょうど4日 |
| 夜勤8回+日勤8回(前の期間の最終日に夜勤入り) | 28−8−8=12日(1日目の明けも「休み」) | 28−(8+9+8)=3日 | 暦日では1日足りない |
| 夜勤8回+日勤8回(28日目に夜勤入り) | 28−8−8=12日 | 28−(8+7+8)=5日 | 足りている(明けは次の期間に数える) |
| 夜勤9回+日勤8回 | 28−9−8=11日 | 28−(9+9+8)=2日 | 暦日では2日足りない |
3行目は2行目と同じ回数でも、前の期間の最終日に入った夜勤の明けが今回の1日目に入るため、暦日の休日は3日になります。 4行目は28日目の夜勤の明けが次の期間に出るので5日です。5行目は勤務表の休み11日に対し暦日の休日は2日で、例外に当たらない職場なら3行目と5行目は4週4日を下回ります。 週休制(毎週1日)の職場では、4週間の合計ではなく、各週に暦日の休日が1日以上あるかを週ごとに見ます。4週4日の起算日は就業規則で決めることになっています(施行規則12条の2)。
3勤3休・4勤2休のように周期が決まった勤務の1年の休みの数は、「3勤3休とは?」「4勤2休とは?」で数えています。
勤務表の「明」「休」「公」と法定休日の違い
勤務表の記号は職場ごとの呼び方で、法律上の休日かどうかとは別に決まっています。「勤務表で『休』なら休日」「明けは朝で終わり、残りは丸1日休めるから休日」と考えがちですが、 前日の勤務が0時を超えて続いた日は、表記にかかわらず休日を与えたことにならないとされています(労働基準法35条、和歌山労働局「休日」。暦日の原則は長崎労働局の資料でも確認)。
- 明け: 夜勤が終わる日。勤務表の記号は「明」「ア」など職場で違います。暦日の途中まで働いているので、原則として休日ではありません。
- 休み・公休: 勤務の予定がない日を指す職場の呼び方で、法律上の用語ではありません。0時〜24時に勤務がなければ休日として数えられます。
- 法定休日: 35条の週1日(または4週4日)の休日。この日の労働は休日労働で、+35%以上の割増と36協定が必要です。
- 所定休日(法定外休日): 法定休日以外に会社が決めた休み。働いても休日割増の対象ではなく、週40時間などを超えた分が時間外割増の対象になります。
法定休日を特定していない職場の扱いをくわしく読む
勤務表に印を付けて就業規則と照らす手順
就業規則の「休日」の条を開き、週休制か4週4日か、4週4日なら起算日を写す
法定休日を曜日や勤務表の記号で決めているかも見ます。就業規則は職場で閲覧できるよう周知が義務付けられています(労働基準法106条)。交替制の定め(番方の名前・交替の順番と周期)があるかを確認する
「勤務割表により定める」とだけあり交替の順番が決まっていなければ、例外ではなく暦日で数える職場の可能性があります。勤務表を4週間分並べ、0時を過ぎて終わる勤務の翌日に印を付ける
前の期間の最終日の夜勤も見て、明けが今回の1日目に入るかを確かめます。上の式3で暦日の休日を数え、週1日または4週4日と比べます。法定休日に働いた日があれば、給与明細の「休日手当」「休日出勤」の欄を見る
法定休日の0時〜24時に働いた時間に+35%以上が付いているかを確かめます。数え方の説明がつかなければ、勤務表と就業規則の写しを持って人事・総務へ。なお不明なら労働基準監督署へ
未払いが疑われるときの確かめ方と請求期限は「夜勤手当が支払われないのは違法?」の記事にまとめています。
法定休日の0時〜24時の時間をツールに入れるには
夜勤の手取り計算ツールでは、カレンダーの「法定休日として指定する」で日付を指定すると、その日に置いた勤務の全部の時間が休日労働(+35%)として計算されます。 勤務は始まった日の日付に置く仕組みで、0時で区切りません。
そのため、日をまたぐ夜勤では法律上の扱いと合わないことがあります。たとえば土曜16時〜日曜9時の夜勤で日曜が法定休日なら、休日労働に当たり得るのは日曜0時〜9時の9時間(休憩を除く)です。 ところがツールで土曜を指定すると土曜16時〜24時の8時間まで休日労働になり、日曜を指定しても日曜に始まる勤務がなければ休日割増は付きません。
近い結果を出すには、法定休日の0時〜24時に働いた時間を自分で数え、残業代の計算ツールの「⑤ 法定休日に働いた時間」に入れます。そのうち22時〜翌5時の分(上の例なら日曜0時〜5時の5時間)は「⑥ ⑤のうち深夜帯」です。 法定休日の外の時間が法定時間外に当たるなら③・④に入れます。月の手取りの目安は手取り計算、法定休日の割増は残業代の計算、と分けて使ってください。
よくある質問
夜勤明けの日を、会社が「休日」として数えるのは違法ですか?
労働基準法35条の休日は、原則として0時から24時までの暦日で数えるとされています。夜勤明けの日は0時を過ぎて働いているので、原則としてこの休日には当たりません。勤務表で明けを「休み」と書くこと自体は表記の問題ですが、明けを除いて数えた休日が週1日(または4週4日)に届かなければ、35条の休日が足りないことになります。番方編成による交替制で要件を満たす場合は例外があるため、就業規則の定めを確かめてください。
休日が1日もない週があっても、違反にならない場合はありますか?
就業規則で4週間を通じて4日以上の休日を与える形(変形休日制)を定め、4週間の起算日を決めている場合は、4週間で暦日の休日が4日以上あれば、休日のない週があっても35条の休日の定めには反しないとされています(労働基準法35条2項・同法施行規則12条の2)。毎週1日の形をとっている職場では、各週に暦日の休日が1日以上必要です。自分の職場がどちらかは、就業規則の休日の条で確認できます。
法定休日が夜勤明けの日に当たっていたら、休日労働になりますか?
法定休日の0時から24時までに働いた時間は、休日労働として割増(+35%以上)の対象になるとされています。夜勤が法定休日の0時をまたいで続いた場合、0時以降の時間が休日労働に当たり得ます。当サイトの手取り計算ツールはこの0時での区切りに対応していないため、法定休日の0〜24時に働いた時間を自分で数えて、残業代の計算ツールの「⑤ 法定休日に働いた時間」に入れる方法を本文で案内しています。深夜割増との重なり方は、深夜残業の倍率の記事で表にしています。
勤務表で「休」と書かれた日は、必ず休日に数えられますか?
数えられないことがあります。前日の勤務が0時を超えて続いた日は、勤務表の表記にかかわらず休日を与えたことにならないとされています(労働基準法35条、和歌山労働局「休日」)。明けの日は朝で仕事が終わっても0時〜終業まで働いているので、原則として休日ではありません(昭和23年4月5日基発535号)。勤務表の記号と、0時〜24時に勤務があるかを分けて見てください。
交替制の例外(継続24時間)に当たるかは、誰が決めるのですか?
行政解釈(昭和63年3月14日基発150号)は、番方編成による交替制であることが就業規則等で定められ制度として運用されていること、各番方の交替が規則的に定められていて勤務割表等でその都度決めるものではないこと、の2つを要件にしています。この通達は8時間3交替制の連続勤務を例に示されたもので、二交代などそれ以外の交替制で当たるかは個別に判断されます。当たるかどうかは就業規則と勤務表の実際の運用から判断されるため、まず就業規則の交替制の条を確認し、判断がつかなければ労働基準監督署に相談できます。
関連記事
出典・参考資料
- 労働基準法(35条 休日・36条・37条 休日の割増賃金)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: e-Gov法令検索(所管: 厚生労働省)・確認日: 2026-11-06
- 労働基準法施行規則(12条の2 第2項 4週4日の起算日)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: e-Gov法令検索(所管: 厚生労働省)・確認日: 2026-11-06
- 和歌山労働局「休日(労働基準法第35条)」(休日は暦日・前日の労働が0時を超えた場合・3交替制などの継続24時間の2要件)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省 和歌山労働局・確認日: 2026-11-06
- 長崎労働局「労働法の基礎講座」(休日は暦日・変形週休制の起算日・法定休日の特定)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 厚生労働省 長崎労働局・確認日: 2026-11-06
- 大阪府 労働相談資料「休日」(昭和23年4月5日基発535号・昭和63年3月14日基発150号の交替制の要件の引用)(外部サイトが新しいタブで開きます)発行主体: 大阪府・確認日: 2026-11-06
※ 本記事および紹介ツールの計算結果は概算であり、実際の給与は勤務先の規定によります。
※ 休日の数え方は、就業規則の定めと交替制の運用の実態によって扱いが分かれます。本記事は行政解釈と労働局の資料に基づく一般的な整理であり、 個別の職場について法的判断を示すものではありません。ご自身の扱いは勤務先の人事・総務、または労働基準監督署にご確認ください。